過食症 治療 II
過食症の嘔吐や下剤乱用をともなうタイプの治療
メンタルクリニックエルデでは、摂食障害(拒食症、過食症)の方に対人関係療法をお勧めしています。

目次
1.いまどきの、外見への投資に対する考え方
今、世の中ではダイエットの情報は溢れんばかりに流されており、特にSNS上ではYouTubeやインスタやなどのプラットフォームで、毎日のように大勢のインフルンサーが自分をモデルにして綺麗になるためのメイクやダイエット方法を紹介し、ビフォー・アフターを発信して、若者の人気となっています。
また、世間にだんだんと「外見を良くするために頑張っている人はえらい」という風潮が生まれてきていて、10〜20代、30代では「外見への投資、努力を惜しまないこと」がその人のアクティブポイントになるという価値観が生まれてきているように思います。
例えば、ダイエットしてやせる、脱毛する、アートメイクをするなどは積極的な努力と捉えられ、えらいね、頑張ってるねとほめられたりするようになりました。身だしなみを整える、の水準がずいぶん高くなったなと思います。
2.やせることや美容への関心は努力義務?
このように、美容に努力することはイケてる、良いこと、当然のことという風潮が広まるなかで、そこから翻って「外見を磨かない人」は「努力をしない人」「怠けている」という認識、価値観も誕生しつつあるのではないでしょうか?
これは、現代に生きる若者にとって、言わば美容への努力義務が課されているようなもので、けっこうなプレッシャーになっているのではないかとも感じています。
ひと昔前の映画ですが、『プラダを着た悪魔』で、ミランダの美=絶対や完璧主義という価値観に主人公アンディ(アン・ハサウェイ)が圧倒されるシーンを思い出しませんか?
3.ダイエットから摂食障害への落とし穴
さて、このような現代社会にあって、女性にとって、キレイになりたい、やせたいという気持ちを持たないでいるのはそもそも難しいことといえるでしょう。 ダイエットそのものはたくさんの成功例があるのですから、やってみたいと思う方は、精神面からも身体面からも安全に減量するためのガイディングをしてくれる人に習って実践していただきたいものです。 その一方で、ダイエットがきっかけとなって摂食障害という病気を発症する人が一定数いるという事実も知っておいていただきたいと思います。 例えば過食症では、
やせたい 厳しい食事制限 空腹の反動として過食 太る事への恐怖から嘔吐などで食べたものを無かったことにする 過食嘔吐の反動として虚脱してグッタリ 自己嫌悪、自責 イライラモヤモヤからストレス解消としての過食嘔吐 虚脱グッタリ 自己嫌悪、自責、うつ、頭の中が食べ物とカロリーのことでいっぱい 社会生活、日常生活に支障を来す 引きこもる 家族から過食嘔吐を止めろなどと責められ、イライラモヤモヤの苦しさから…
というような延々ループ、悪循環に陥ります。
一般的に、拒食症の患者さんは「自分は病気ではない、治療は必要ない」と主張することが多く、過食症の患者さんは過食嘔吐に問題意識を持っていたり、うつ気分があったりで、治療の必要を感じていることが多いです
もし、このコラムを読んでいる皆さんのなかで、どうしようと悩んでいる方がいらっしゃったら、まずは、水島広子著『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』(2022年第16刷)を読んでくださいませんか。
水島広子先生は、私たちメンタルクリニックエルデの治療者のトレーニングをしてくださっている対人関係療法の第一人者で、多くの著書を上梓しておられます。とくに若い人達に向けた本では、生きていく上で役に立つ考え方や姿勢、具体的なストレス対処スキルやコミュニケーションスキルをわかりやすく伝えてくれています。
4.摂食障害の治しかたを知ってほしい、その思いから書かれた本とは?
水島先生によれば、2001年当時、摂食障害については治らない等々の間違った風評があり、患者さんがよけいに病気をこじらせているという状況があったそうです。
でも実際には、ご自分が務めていた大学病院の専門外来で対人関係療法によって摂食障害が治っていくのを日々実感していて、また、国際的な医学研究データでも
「対人関係療法によって過食症は治りその効果は長期にわたってのびていく」
ということが裏付けられました。
このようないきさつから、摂食障害は治る病気であることを知ってほしかったこと、その治し方を知って自分でも治せるようにして欲しかったことが、『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』を出版する動機だったと言います。
以下、著書後書きからの抜粋です。
おかげさまで、前作『やせ願望の精神病理』は関係者にご好評をいただき、
「これを読んで初めて病気が理解できて、娘に対する対応も変わりました」
という声を親御さんからいただいたり、
「自分の気持ちを代弁してくれているような本」
という声を患者さんからもいただきました。
本文中にも書きましたが、
実際に本を読んで努力しただけで病気が治ってしまった、
という親子にも出会いました。〜略〜
このたび大きく加筆修正して本書『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』を出版するにあたり、本書では、特に摂食障害の患者さんと家族の方向けに、専門用語をなるべく避け、摂食障害を「治す」ために必要なことは何かわかるよう、前の本よりもさらに実用的な内容を目指しています。
5.最後に
この本『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』を読むだけで病気が治ってしまえば本当にそれに越したことはありません。
でも、「単にやせたかっただけだったのに、いつのまにか人生の途中で遭難してしまった・・・」このような困惑や不安、苦しさを感じているのなら、ぜひメンタルクリニックエルデを受診していただきたいと思います。
私たち治療者は、あなたのあたたかい味方になって、あなたが自分のペースで摂食障害を治していく道のりを伴走いたします。
監修者

坂本 誠
メンタルクリニックエルデ 院長
<資格>
医学博士
精神保健指定医
日本精神神経学会 精神科専門医
コンサータ・ビバンセ登録医師
ドイツ精神神経学会(DGPPN) 認定医師
ドイツ対人関係療法学会(DGIPT) スーパーバイザー
<対人関係療法に関する研究>
国際対人関係療法学会 アムステルダムでの発表
ドイツ精神神経学会 ベルリンでの発表
<対人関係療法における著書>
トラウマセラピー・ケースブック 症例に学ぶトラウマケア技法
PART 8 対人関係療法(IPT) 星和書店
対人関係・社会リズム療法でラクになる「双極性障害」の本
治療の基本と自分でできる対処法 大和出版
<経歴>
聖マリアンナ医科大学病院神経精神科
医療法人社団 丹沢病院 医局長
ドイツ ルプレヒト・カール大学ハイデルベルク 老年精神科客員医師
誠心会 神奈川病院 医長
メンタルクリニックエルデ 開設
