ADHDは、「不注意」や「多動・衝動性」を特徴にもつ、発達障害のひとつです。注意を持続させたり、行動をコントロールするための脳の機能に、何らかの異常や偏りがあることで症状が生じます。 「不注意」の症状が強くあらわれるタイプと、「多動・衝動性」の症状があらわれるタイプ、どちらの症状もあわせ持つタイプと、3つのタイプがあります。
「不注意」の特徴
- うっかりミスが多い
- 気が散りやすい
- 忘れ物が多い
- アポイントを忘れる
- 仕事に集中できない
- 片付けが苦手
- 遅刻が多い
- 長い話になると混乱する
- 突然の予定変更に弱い
「多動・衝動性」の特徴
- すぐにカッとなる、すぐにキレる
- 人の話が最後まで聞けない
- しゃべり過ぎる
- 突発的な発言や動きが多い
- 順番が待てない
- 手をずっと動かしていたり、脚をブラブラさせたりしている
- 授業中、仕事中に席を立つ
ADHDは疾患というより障害であり、その特性によって自身の健康や日常生活、社会生活に支障を来している状態です。 例えば、学校で忘れ物が多く、授業に集中できず、勉強についていけないなど。 あるいは、職場で頻繁に遅刻する、大事な会議を忘れる、書類を無くす、取引先に余計な一言を言って上司に叱られるなど。 このような状況が続くと、自分はダメなんだと落ち込んだりストレスで具合が悪くなり、二次的にうつ状態、うつ病、不安障害を併発することがよくあります。(逆にうつ病、不安障害で来院された方が非定型発達であったと分かるケースもあります) また、睡眠に関する悩みも多く、熟睡できない→昼夜逆転→日中の眠気がひどくて仕事にならないなどの訴えを診察でよく聞きます。
治療について
ADHDの治療は、まず困り事に対処する工夫やスキルを身につける「心理社会的治療」が検討されますが、日常生活に支障が出る場合は、症状をおさえる「薬物療法」を併せて使います。
当クリニックでは生活指導とストラテラ(アトモキセチン塩酸塩)、コンサータ、ビバンセ、インチュニブの投薬を行っています。
治療体験
「頭の中が整理されてスッキリした」「注意不足が少なくなった」「忘れ物が少なくなった」「集中して仕事ができるようになった」「落ち着いてきた」「怒りにくくなった」「学校の授業をきちんと聞けるようになった」「宿題ができるようになった」「先生や親から注意されなくなった」「日中の眠気がなくなった」
※当クリニックでは、ADHD中等度以上の場合や小児・思春期の方は適応外の場合がありますので、その場合は専門機関を紹介いたします。
※また、診察の結果、広汎性発達障害・アスペルガー症候群、学習障害とADHDが併発しているケースがあるのですが、その場合は専門外なので他院を紹介しております。