うつ病について
1.うつ病は治る病気です
専門医の治療を受け、適切な薬を飲んで必要な休息を取れば、うつ病は治ります。
回復するプロセスは人それぞれですが、早い段階で専門医に相談することで ご本人の回復はより順調になるでしょう。
2.現在、日本では人口の6.5%がうつ病であるという報告があります
生涯のうちにうつ病にかかる可能性については15%程度という報告が多く、 近年では身近な病気として捉えられています。
3.うつ病は「病気」であり「抑うつは主な症状」です
うつ病の代表的な症状
抑うつ気分
気分の落ち込みや、何をしても晴れない嫌な気分や、空虚感・悲しさなどがある。
一時的ではなく、きっかけや状況が改善してもこのような気分が続いている。
興味・喜びが感じられない
以前まで楽しめていたことにも楽しみを見いだせず、感情が麻痺した状態である。
意欲・気力の低下
「仕事に行きたくない」「仕事がつらい」「通勤がつらい」「家事をする気が起きない」など日常的なことを苦痛に感じる。 何をするにも億劫な感じがする。疲労感が強い。性欲が減退した。人と会うことが煩わしい。
集中力・思考力・決断力の低下
仕事や家事に集中できない、要領が悪くなる、イージーミスが増える、決断できないなど今までできていたことが出来なくなる。
自分には価値がないと感じ、自殺を考えたりする
何をしても面白くなく、物事にとりかかる気力がなくなり、何もしていないのに疲れてしまう。
考えがまとまらず小さな物事さえも決断できない自分には存在している価値などないと感じる。消えてしまいたい、死にたいと思う。
睡眠と食欲の不調
なかなか寝付けない、夜中や明け方に覚醒してしまいその後眠れない、熟睡感がない、逆に日中の眠気がひどい、眠りすぎる。
食欲減退、食べ物の味がしない、逆にイライラして食べ過ぎてしまう。
4.うつ病の初期段階では辛いのを我慢して元気そうに振る舞っていることもあります
日常生活でみられる特徴
- 朝に抑うつ感が強く、夕方になると多少改善する。
- 親しい人との対人関係でも気疲れする。
- 気晴らしがむしろ苦痛に感じられる。
- 新聞や本などを読み通すことができなくなる。
その他、周囲の人たちからみても確認できる特徴
- 動作が遅くなった。逆に落ち着きなく身体を動かしている。
- 口数が減った。逆に不安や焦りをまぎらわせようとしきりに喋る。
- イライラしたり怒りやすくなった。
- 無理してニコニコしているように見える。
5.身体に出やすい症状
怠さ、疲れやすさ、不眠と食欲不振による急激な痩せ、太った、目の疲れ、頭痛、頭が重い感じ、肩こり・腰痛、 口が乾く、立ちくらみ、吐き気、ひや汗、女性では生理不順、月経前症状がひどくなる、など。
6.ご家族、職場の皆さまへ
- うつ病に対する誤解の最たるものは、怠けている・根性がない・気の持ちようだという考えでしょう。
- うつ病でありながらそれが「病気」であることに気づかずに症状に苦しんでいる人が 全体の75%にも上ると言われています。
- また、受診につながっている25%の患者様のなかにも、自覚がありながら同僚や上司に 言えないまま無理をして働き続け、軽度のうつを悪化させてしまったというケースも少なくありません。
- 個人だけでなくご家庭や、ご勤務先・職場においても、うつ病への理解が深まれば、予防への工夫ができたり、初期段階で治療をうけやすくなるでしょう。
- こじらせてしまう前に、どうぞ、ご相談下さい。
- 当院では、薬物療法だけでなく、対人関係療法、カウンセリングでの治療を受けることができます。特に対人関係療法は薬同等の効果があります。